みぞメモ

ブログ作成用のメモ登録

デジタル情報の処理と認識(’18):シラバス概要

■ 講座情報

デジタル情報の処理と認識(’18)
Introduction to Multimedia ('18)

【主任講師】
   柳沼 良知(放送大学教授)

【教材・資料】
  ・インターネット視聴


■ 講義概要

コンピュータは、計算する機械である一方で、
文字、音声、画像、映像といった多様な情報も扱うことができる。
しかし、これらの情報がどのように扱われているかは、
外からは見えにくいのが現状である。

本講義では、文字、音声、画像、映像といった情報の処理や認識が
コンピュータ上でどのように行われているかについて概説する。

 【授業の目標】
  コンピュータ上で、文字、音声、画像、映像といった
  多様な情報を扱うための仕組みを知るとともに、
  それらの処理技術について習得する

 【講義項目】

  第1回 文字の表現
  第2回 自然言語処理
  第3回 自然言語処理の応用
  第4回 音の表現
  第5回 音声周波数の分析
  第6回 音声の認識と合成
  第7回 色と画像の表現
  第8回 デジタル画像の処理
  第9回 空間フィルタリングとモーフォロジー
  第10回 画像認識1 ~文字の認識~
  第11回 画像認識2 ~顔の認識~
  第12回 画像検索
  第13回 画像処理ハードウェア
  第14回 映像データの処理
  第15回 3次元データの処理


■ 講義内容

 各講義回の概要とキーワード

第1回 文字の表現

  この回では、コンピュータ上で、文字がどのように扱われているかについて述べる。
  具体的には、コンピュータ上で文字を表現するために用いられる文字コード
  文字のデザインであるフォント、
  Web文書の記述に用いられるHTML等について述べる。

【キーワード】
  文字コード、フォント、HTML

第2回 自然言語処理

  自然言語人工言語について述べるとともに、日本語処理の基礎となる、
  文を単語に分割する形態素解析や文の構造を解析する構文解析等の
  自然言語処理について述べる。

【キーワード】
  形態素解析構文解析、意味解析、文脈解析

第3回 自然言語処理の応用

  自然言語処理の応用として、
  日本語から英語といった言語間の翻訳を機械的に行う機械翻訳や、
  多量のテキストデータを検索するための全文検索の実現方法について述べる。

  また、多量のテキストデータから有用な情報を取り出すための
  テキストマイニングについてもあわせて述べる。

【キーワード】
  機械翻訳全文検索テキストマイニング

第4回 音の表現

  コンピュータ上で音声を扱うために必要となる音のデジタル化や、
  音の大きさ、高さ、音色といった音の属性について述べる。
  また、音階の仕組みについても述べる。

【キーワード】
  音の3属性、音階

第5回 音声周波数の分析

  音声認識の第一段階としては、話者が「あ」と発音しているのか、
  「お」と発音しているのかの違いを認識する必要がある。

  人の発声の仕組みについて学ぶとともに、
  音素を識別する方法として周波数分析について学ぶ。

【キーワード】
  周波数分析、フーリエ変換、話者同定

第6回 音声の認識と合成

  音声認識のうち、
  コンピュータにあらかじめ登録された単語やコマンドを認識するものは、
  単語認識やコマンド認識と呼ばれる。
  また、コンピュータに対して、
  制限のない自由文を連続的に認識させるものはディクテーションと呼ばれる。

  この回では、このような音声認識について述べるとともに、
  音声の合成についてもあわせて述べる。

【キーワード】
  音声認識音声合成

第7回 色と画像の表現

  コンピュータ上で画像や映像を表現するための基礎になるのが色である。

  色の物理的な性質について述べるとともに、
  コンピュータ上での色や画像の表現について述べる。

【キーワード】
  色の表現、画像の表現

第8回 デジタル画像の処理

  デジタル画像処理の例として、色や明るさの変換方法について学ぶ。
  また、2値化やトーンカーブによる画像の処理がどのように行われるかについて学ぶ。

【キーワード】
  画像処理、2値化、トーンカーブ

第9回 空間フィルタリングとモーフォロジー

  画像の加工や特徴抽出などに用いられる空間フィルタリングについて学ぶ。
  また、膨張と収縮により画像の処理を行うモーフォロジーについてもあわせて学ぶ。

【キーワード】
  空間フィルタリング、モーフォロジー

第10回 画像認識1 ~文字の認識~

  コンピュータを使って、画像中の物体を認識し利用することが広く行われるようになってきた。
  画像認識の概要について述べるとともに、
  画像認識の例として、文字認識について述べる。

【キーワード】
  画像認識、文字認識

第11回 画像認識2 ~顔の認識~

  画像認識の例として、色特徴やHaar-like特徴を用いた顔検出の手法について述べる。
  また、固有顔を用いた顔認識について述べる。

【キーワード】
  顔検出、顔認識

第12回 画像検索

  蓄積された多量の画像の中から、
  利用者が自分の好みや目的に応じて画像を探し出すために必要となる
  画像検索技術について述べる。
  また、検索性能の評価方法についても述べる。

【キーワード】
  画像検索、適合率、再現率

第13回 画像処理ハードウェア

  画像を入力するためのハードウェアの例として、デジタルカメラの仕組みについて学ぶ。
  また、画像を出力するためのハードウェアの例として、
  ディスプレイやプリンタの仕組みを学ぶ。

【キーワード】
  CCD、ディスプレイ、プリンタ

第14回 映像データの処理

  映像データの取得や保存形式について学ぶ。
  また、映像を効率的に扱うために用いられるシーンチェンジ検出や、
  映像の検索、編集手法について学ぶ。

【キーワード】
  映像フォーマット、シーンチェンジ検出、映像検索、映像編集

第15回 3次元データの処理

  3次元データを取得するための方法としては、
  受動的な方法や能動的な方法など様々な方法がある。
  3次元データの取得方法について述べるとともに、
  3次元データの表現方法についてもあわせて述べる。

【キーワード】
  3次元データ、VRML